任意整理の和解内容

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はじめに

任意整理とは、債権者(カード会社等)と話し合いによって返済条件につき和解する手続きです。大体の和解条件として・元金を(今後の利息はカット)・月1回を計60回(五年間)で返済していく条件で交渉をします。

以前は司法書士・弁護士が介入するとかなりの確率にて上記内容で和解できたのですが、現在は60回ではなく36回払いにしてほしい、和解日までの利息をつけて欲しい(以前は弁護士、司法書士の介入の際の利息にて和解)など条件が変わってきてます。
さて任意整理の和解条件はどのような基準で変わるのでしょうか。主に①債権者(カード会社)②これまでの取引の内容③債務者の家計状況によって変わります。

当事務所では、面談する際に債権者と取引内容と家計内容の確認をします。この三つの点を確認することで大体の和解内容の推測をします。但し、各社和解内容を随時変えてきており、面談時の推測と和解時の債権者の主張が異なることはよくあります。

①債権者に関して

まず①債権者(カード会社)に関してですが、和解条件は当然のことかもしれませんが債権者たるカード会社の方針によって大きく異なります。

これまでの当事務所の実績からして、いわゆる地場の資本で経営されている街金、大手銀行などと資本関係にある消費者金融、ショッピングローンの立替払いを行う信販会社の順番に和解条件が緩く傾向にあります。例えば街金は上記の基準での60回払いを認めず24回払、36回払と当然に主張します。また和解締結後の将来利息の支払いを主張してくることも数多くあります。

これらに比べ消費者金融はそこまで条件が厳しくはありません。但し消費者金融は各社方針がかなり異なります。例えば上記の条件は問題ないのですが、司法書士、弁護士の介入後半年もすれば訴訟を提起する債権者もいますし、支払回数を60回認めてくれない会社もあります。一方和解後の利息に関しては請求してこない会社がほとんどです。

そして信販会社は上記の基準を認めてくれるところがほとんどです。和解条件に関してよほどのことがない限りはもめることがありません。

②取引に関して

次に②これまでの取引の内容に関してです。取引の内容とはカード会社と何年間取引したかとか、債務整理で介入するまでの最終の取引の履歴が和解条件に大きく影響してきます。
例えば和解する際に2、3か月しか取引していない方も依頼者の中にいます。お金が回らなくなりどうしようもなく借り入れしてしまったのはわかるのですが、このような取引では返済回数を多くしても返済してもらえないと債権者に判断されてしまいます。また時々借り入れした直後に債務整理の相談をされる方がおりますが、和解の成立すら困難となってしまいます。

 

③家計に関して

③最後に債務者の家計状況によっても和解条件は異なります。債権者各社には大体の和解条件が決められております。この条件内で和解する分には、交渉もスムーズですが、この基準(例えば支払い回数を増やしたい)よりもよい条件で交渉する場合には、債権者から家計状況を求められる場合があります。また逆に債権者が債務者の家計を把握している場合があります。例えばボーナスが年に2回確実に出ると把握されている場合はボーナス時に返済額を増やしてほしいといった主張もされます。

最後に

最後に上記の和解条件ですが、平成31年3月時点での内容となっております。実は年々和解条件が厳しくなっているのが気になります。もしかしたら今までは司法書士や弁護士が過払い金請求で請求する側でしたので、こちら側が優位に立っていたのが、過払い金がほぼ終息したことにより債権者側が強気になっているのかもしれません。

 

司法書士 松尾孝紀

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