破産と信用情報
ところで破産時の破産時の信用情報はどうでしょうか。
前回お話したようにJICC(消費者金融、審判会社系)、CIC(クレジットカード会社と信販会社)は免責から破産手続開始から5年です。
しかし全銀協は10年です(下記URL参照)
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/pcic/open/kaiji0004.pdf
全銀協というのは、破産の官報情報を収集してます。破産した事実は官報に掲載されるのですが、その情報を収集してデータベース化しているわけです。
なお全銀協は銀行のデータベースです。一般の方が銀行との取引をするのは住宅ローンがあります。当然銀行側は住宅ローンの審査をする際には全銀協に照会します。よって破産をしてから10年間は住宅ローンが通るのが難しいと考えた方がいいでしょう。また住宅ローンは高齢になれば通りづらくなるので、10年間というのは厳しい期間といえるでしょう。
信用情報機関間の情報共有
信用情報機関に関する重要なポイントがあります。
それは、前回まで説明してきた信用情報機関は、それぞれ情報を共有しているということです。前回までのおさらいですが、日本には信用情報機関が3つあります。JICC(消費者金融、審判会社系)、CIC(クレジットカード会社と信販会社)、全銀協(銀行)です。
信用情報機関は情報共有のネットワークをもっており、それぞれCRIN(Credit Information Network)とFINE(Financial Information Network)といいます。
(参照①CICのCRINについての解説)
(参照②CICのFINEについての解説)
奨学金と信用情報
債務整理の業務で依頼者の債務を確認すると奨学金の借り入れが目立ちます。
債務整理で奨学金がある場合信用情報はどうなるのでしょうか。
奨学金の貸主である日本学生支援機構のHPを調べてみましょう。
(日本学生支援機構のHP)
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/koshin.html
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/kojinjoho.html
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henko/__icsFiles/afieldfile/2016/01/07/koshinsetsumeisiryou.pdf
すると以下のことがわかります。
① 平成21年度以前に奨学金の受給を開始した人は、原則として信用情報に登録されていない。
② 平成21年度以降に借りた人は事故情報が全銀協の信用情報に記載されます
まず①に関してですが、信用情報機関に登録するには「個人信用情報機関への個人情報の登録の同意書」を債務者が提出する必要があります。平成21年度以前に借り入れ開始の方は同意書を提出してないので、信用情報に記載されないわけです。また平成21年度以前に借り入れ方でも支払いが厳しくなり分割払いの申込みをすると同意書を提出する必要があります。
②に関してでが信用情報機関は全銀協なので、信用情報は原則銀行間で共有されます。事故情報が記載されたとしても、クレジットカード及び消費者金融からお金を借りられる可能性はなくはないです。但し他の信用情報機関と情報を共有しているので(CRIN)、クレジットカードは作りづらくなると思われます
司法書士 松尾孝紀