まず前提として、現在の仕事をすぐに退職しないものとします。札幌地方裁判所の基準によると退職金は8分の1の評価となるので、例えば退職金の見込みが200万円だとすると、25万円、生命保険は解約返戻金30万円とした場合、そのままの評価とみなされます。双方20万円以下なら換価する必要がないのですが、このままですと両方ともに破産の対象の財産となってしまいます。ただ、この場合、上記金額を破産財団(換価の対象となる財産です)に組み入れる方法もありますが、自由財産(破産手続によらず自分で処分できる財産のこと)の拡張(破産法第34条第4項、なお財産総額99万円までと)をすることで、特段の処置をとることなく退職金と生命保険を保全することが可能です(札幌地方裁判所の場合。なお自由財産の拡張は必ずしも認められるわけではありません。)
なお現在の仕事を退職する予定の場合、退職金は4分の3が差押禁止債権ですので、残り4分の1が破産の対象財産となります(破産法第34条第3項)。